SEOカスタマージャーニーとは、潜在層と言われる見込み顧客から優良顧客になるまでのプロセスを捉えるものであり、プロセスごとのユーザーの悩みや課題、行動を図式化したものがSEOカスタマージャーニーマップと呼ばれます。
一般的にマーケティングで言われるカスタマージャーニーマップは、下記表のようなユーザーのブランドを認知していない状態から購買までフェーズ(ジャーニー)に沿って、心理や行動の変化とそれに対応したチャネルや施策を洗い出したものです。
今回、当記事では一般的にマーケティングで使われるカスタマージャーニーを、コンテンツSEOの施策部分に焦点を当てて、SEO対策における対策キーワードのSEOカスタマージャーニーの作成方法と、SEARCH WRITEの活用方法についてご紹介します。
SEOのキーワード選定におけるSEOカスタマージャーニー作成の目的
SEOカスタマージャーニーマップの作成は、潜在層である見込み顧客がコンバージョンするまでに、どのような悩みや課題などのニーズを持っていて、どんなキーワードで検索するのかを可視化する目的があります。
例えば、結婚指輪を販売するブランドが実現したいことが、「結婚指輪=○○(ブランド名)の状態を作る」であれば、
「結婚指輪の選び方」
「プロポーズの方法」
「結婚式までの流れ」
などの結婚指輪に繋がるトピックを知ってもらう必要があると分かります。これらを細分化し、キーワードに落とし込むことで対策すべきキーワードが発見できます。
なんとなく浮かんだキーワードや、社内で書きやすい内容・書きたい内容を対策していくよりも、ユーザーの悩みを洗い出したのちにキーワードを対策する方が、ターゲットとなるユーザーを網羅的に対策できるというのもポイントです。
SEOカスタマージャーニー作成のステップ
SEOカスタマージャーニーを作成するステップは大きく2つに分けられます。
①ユーザーのニーズを考える
②キーワードに落とし込む
それではSEOカスタマージャーニーマップを作成するステップについて解説していきます。
SEOカスタマージャーニーマップの作成ステップ
マーケティングにおける一般的なカスタマージャーニーについてや、カスタマージャーニーのメリットデメリットについては下記URLをご参照ください。
カスタマージャーニーとは?マップの作り方やメリットまで解説 | 株式会社PLAN-B
ここからは、潜在ニーズ、準顕在ニーズ、顕在ニーズの3つのフェーズ分けたSEOカスタマージャーニーマップを作成します。
弊社がご用意しているSEOカスタマージャーニーマップでは、ユーザーの悩みや課題、その悩みや課題を持っている際にユーザーが調べるであろうキーワード、コンテンツの目的 (コンテンツを読んだユーザーに求めるアクション)を洗い出していきます。
顕在層→準顕在層、潜在層の順番で考えていくことがポイントです。
顕在層から洗い出すことで、自社のターゲットに近いユーザー・ペルソナを明確にイメージした上で、「どのような悩みを持つだろう」と、準顕在層や潜在層の悩みや課題の幅をより広げることができるからです。
- 「ユーザーニーズを考える」のステップでは、まずはご自身が考える浮かぶ限りのユーザーニーズをSEOカスタマージャーニーマップに洗い出していきます。
※なかなか思い浮かばない場合は、競合キーワード分析 を使って競合が獲得しているキーワードからユーザーのニーズを参考にしてみてください。
顕在層:他社サービスと比較検討しているユーザー
顕在層では、他社サービスと比較した際にユーザーが迷う点を起点に悩みや課題を洗い出していただければと思います。
当記事では結婚指輪を販売するメーカー(BtoCサービス)を事例に解説していきます。
※BtoBサービスのカスタマージャーニー例は当記事後半にございますのでご確認ください。
例えば、「結婚指輪を買う予定だが、どのお店で買えばよいかわからない」というユーザーであれば、「どのメーカーのものを買うか」「どんなデザインが人気なのか」という悩みを持つと考えます。
そのような悩みを持ったユーザーであれば、「結婚指輪 人気」や「結婚指輪 おすすめ」などのキーワードで検索するだろう、という風にキーワードに落とし込んでいきます。
※悩みからキーワードに落とし込む際は、検索ボリューム数は一切気にせず洗い出してください。
キーワードに落とし込むことができたら、顕在層としてサイトに訪問してきたユーザーにどういうアクションをしてほしいかを考え、自社が提供するコンテンツの目的を記入していきます。
ここまでがSEOカスタマージャーニーマップの顕在層部分の洗い出し方法となります。
▼顕在層の悩みの情報収集について
とはいえ、他社サービスと比較をした際にユーザーが迷う点については、情報収集が難しいと思います。
情報収集を行う際に下記を参考にしていただければと思います。
①ユーザーインタビュー(実際に購入いただいた顧客)
②社内インタビュー(顧客と密に関わるポジションの方へ)
お客様が他社サービスの何と迷われて自社サービスに決断してくださったのか、失注になった場合に何が課題となったのか、などをお客様や営業にインタビューすることで、顕在ユーザーの持っている悩みを明確に把握することができます。
③知恵袋や口コミサイトなどのSNSで検索し、比較されているポイントを調査
ユーザーのニーズを把握するのに、知恵袋や口コミサイト、TwitterやFacebookなどの各種SNSでの検索も参考になります。
例えば、知恵袋で「結婚指輪 選び方」で調べると、結婚指輪の選び方について「値段」や「品質」「デザイン」や「ブランド」「指にするかネックレスにするか」など、様々な観点で選び方を迷っているというニーズを
拾うことができます。
※BtoBサービスであれば、ITレビューのような口コミサイトで自社と類似製品が比較されているポイントを把握することも手法のひとつです。
SEOツールのおすすめ10製品(全28製品)を徹底比較!満足度や機能での絞り込みも (itreview.jp)
④競合サービスがどんな強みを打ち出しているのか調査
競合サイトの強みから、顧客解像度を上げニーズを拡張する、また他者との差別化ポイントなどを見つけていきます。
競合サイトを見ると、費用面やデザイン、使いやすさなど、サービスの強みを打ち出しているのを見かけるかと思います。
競合サービスが強みとしているポイントはユーザーのニーズと捉えることができ、自社のターゲットと同じ課題やニーズなのであれば積極的に対策する必要あります。
また、競合サイトと比較をすることで自社の強みを見つけることができるため、作成したコンテンツの差別化ポイントを見つけることも同時に可能となります。
例えば、SEARCHWRITEであれば、「チーム運用」や「ノウハウを貯められる」という強みがあることで、「属人化を防ぎたい」「進捗管理をしたい」などのユーザーのニーズを把握することができます。
準顕在層:自社サービスを認知した際に調べるキーワード
準顕在層では、自社サービスを認知した際にユーザーが迷う点を起点に悩みや課題を洗い出していきます。
結婚指輪のサービスであれば、「結婚指輪の購入は検討しているが、まだ比較検討はしていない段階」「そもそも買おうと思っている」という段階のユーザーイメージです。
このようなユーザーの「結婚指輪は必要なのか」「一緒に買いに行くのか」という悩みに対し、「結婚指輪 必要」「結婚指輪 二人で」というようなキーワードに落とし込んでいきます。
準顕在層の悩みの情報収集について
準顕在層の悩みの情報収集は、先ほどの顕在層と同様に知恵袋や口コミサイトでニーズを調査する方法のほかに、競合サイトのコラムやカテゴリで記載されているポイントやGoogleの検索結果のLSIを調査する方法があります。
競合サイトのコラムやカテゴリで記載されているポイントを調査
競合もおそらくユーザーのニーズに対してタグやカテゴリを用意しているため、新たなニーズの発見に繋がります。
例えば、弊社Pinto!であれば下記のようなイメージです。
カテゴリ:SEO・インターネット広告・インフルエンサーマーケティング 等
タグ:Facebook・リスティング・SEO動向・キャリア・ブランディング 等
LSIを調査
LSIとは、検索結果画面の一番下に表示される「他のキーワード」として表示されるものです。
検索窓に入れたキーワードで調べたユーザーが他にどのようなキーワードを検索しているか?を表示しています。
潜在層:サービスを必要としている人の悩み・課題
潜在層では、サービスを必要としている人の悩みや課題、ゆくゆくサービスが必要となる人の興味がある事項を洗い出していただければと思います。
結婚指輪のサービスであれば、「結婚したい」「結婚したいが何から手を付けたらいいかわからない」という悩みを下記のようなキーワードに落とし込んでいきます。
「結婚準備」
「結納」
「入籍」
「顔合わせ」
潜在層のニーズの情報収集は準顕在層と同様です。
ここからは、SEOカスタマージャーニーを活用し、SEARCHWRITEでキーワード選定をする方法
SEOカスタマージャーニーを作成後、SEARCH WRITEを使ってキーワード選定を実施するまでの流れを解説していきます。
SEOカスタマージャーニーを活用し、SEARCH WRITEでキーワード選定をする方法
ステップは下記3つです
- SEOカスタマージャーニーからトピックの軸となるキーワードを見つける。
- “検索ボリューム調査”でボリューム数を調査し、トピックの優先順位を決める。
- “関連ワード分析”にキーワードを登録し、対策キーワードを選定する。
SEOカスタマージャーニーからトピックの軸となるキーワードを見つける。
作成したSEOカスタマージャーニーマップから、貴社サービスのテーマに合ったコンテンツのトピックとなる軸のキーワードを洗い出します。
結婚指輪サービスの場合、上記のSEOカスタマージャーニーマップで赤文字としている部分をトピックとなる軸キーワードとしております。
軸キーワードは優先順位をつけたあと、スケジュールを立てて対策を行うため、洗い出す軸キーワードの個数は気にしないでください。
多ければ多いほうが対策スケジュールは立てやすいです。
“検索ボリューム調査”でボリューム数を調査し、トピックの優先順位を決める。
軸のキーワードを洗い出したら、SEARCH WRITEの“検索ボリューム調査”で軸キーワードのボリューム数を調べましょう。
トピックに関連するキーワードを拡張する前のボリューム数の調査は、「拡張が期待できるキーワードか」「どの軸キーワード(トピック)から対策するか」の優先順位を決める目的があります。
※よくある質問
「関連ワード分析に入れるボリューム数の目安」をご質問いただくことがございますが、対策キーワードによって一概には言えません。
ただ、ボリューム数が多いキーワードほど拡張できるキーワード数が多くなる傾向にあります。
ボリューム数を調査したら、軸キーワードの優先順位を決めていきます。
軸キーワードの優先順位を決める際の考え方の3つのポイントは下記です。
・自社サービスに近いか(CVへの近さ)
・検索ボリューム数からみた競合性はどうか
自社サービスに近いか(CVへの近さ)
弊社SEOツールSEARCH WRITEを例にした場合、下記画像内右上に位置する「SEOインハウス」「SEOツール おすすめ」「リライト SEO」などが自社サービスに近い優先順位の高いキーワードとなります。
軸キーワードのキーワードプロットを使って、キーワードのCVへの近さを分類しましょう。
キーワード選定のよくある間違いについては下記記事を参照ください。
検索ボリューム数からみた競合性はどうか
SEO対策において、ビッグキーワードと呼ばれるボリューム数の大きいキーワードの上位表示難易度は高いとされています。
ボリューム数が大きいということは、上位表示されれば、それだけ獲得できる流入数も増えるため、対策している競合は多い傾向にあります。
そのため、ボリューム数が大きいキーワードほど認知度の高い企業サイトやサービスが上位に来ていることが多いです。
サイトを立ち上げたばかり、またはサイト内にSEO記事が50本未満のサイトは、10,000ボリュームを超える軸キーワードの優先順位を下げ、まずは300-5,000ボリューム数でCVに近いキーワードを優先的に対応していくことを推奨します。
※あくまでもボリューム数は目安です。
サイトの規模やSEO記事数のほかに、自社内で作成可能なテーマがどれだけあるかなどの変数も影響するため、迷った際はチャットボットよりご相談ください。
“関連ワード分析”にキーワードを登録し、対策キーワードを選定する。
軸キーワードの優先順位が決まったら、SEARCH WRITEの“関連ワード分析”にキーワードを登録しましょう。
ここからの関連ワードの使い方は下記記事をご確認ください。
関連ワード分析を使用して新規記事対策キーワードを選定する – SEARCH WRITE
BtoBサービスのカスタマージャーニー例
BtoBサービスのSEOカスタマージャーニー例は下記をご参照ください。
検索ボリュームが大きいキーワードを軸キーワードとすることが一般的です。
BtoBサービスのキーワード選定時の注意点
BtoBサービスの場合、キーワード選定をする際の注意点があります。
顕在層の母数が限られるため潜在層を幅広く広げること
BtoBサービスの場合、サービスの特性上、顕在層・準顕在層で洗い出す軸キーワードには限りがあります。
潜在層のユーザーはサービスから遠く、対策キーワードとして敬遠されますが、BtoBサービスにおいて、潜在層を顕在層に育てることが成功のカギとなります。
顕在層向けのキーワード対策の後、準顕在、潜在へと対策を進めていきましょう。
検索ボリューム数でCVへの近さは判断しきれない
BtoBサービスが特に、検索ボリューム数が多いがCVが少ない、反対に検索ボリューム数は少ないけれどCVの割合が多いというケースがあります。
弊社のお客様でも、検索ボリューム数が30のキーワードから1CV、検索ボリューム数0のキーワードから1CV獲得ができたという事例もあります。
リードが長く、商材単価が高いBtoBサービスにおいて、検索ボリューム数が少ないキーワードも対策をしていくこともCV獲得へのポイントです。